空と海の間に…

      2019/04/21

 本当に今年は台風が多いです。

 アメリカ・インディアンのホピ族の予言には、母なる大地、父なる大空は悲しんだ。人が命の織り物から離れ、人間の命の糸だけがほつれ、美しい命の織り物のバランスを人間が崩したことを…そして、母なる大地、父なる大空が、何より哀しんだのは、人と人との関係性までもが崩れ始めたこと。正常細胞から悪性細胞へと母なる地球の中で、ガン化した人類に対して、大地の父母は浄化を始めると…

 地震も台風も、テレビの画面にテロップとして流れることは日常化しています。
 それを見るたびに、浄化のプロセスが始まってしまっているのではないかとの思いが、心をよぎります。

 話は変わりますが、日本メンタルヘルス協会の年に一回のアイランドツアーに行って来ました。

 


 200人以上の参加者が、都会では味わえない自然の中で、調和をとり、心を放ち、最初は知らなかった仲間たちと、自然の中で、人として、心を持った生きものとして、感覚を呼び起こすプログラム。

 

 

 その一つを紹介するならば、メンタルのオリジナルのプログラムで、言葉のコミュニケーションを使わないで、目隠しをして、身体で一番、敏感な「手」だけを使って、自分のパートナーを探すワーク。お互いにパートナーになった人と、自己紹介をして、お互いに、手について特徴を語り合ってもらいます。手に対するコンプレックスとか、手にまつわるエピソードとか、手をつないだ時の思い出(両親、恋人)とか…

 


 そして、メンバーは目隠しされたまま、色んな場所にシャッフルされて移動します(スタッフが)。そして、シャッフルされた200人の中(世界の縮図)からパートナーを探すという心理ワークです。

 


 その際にいっさい言葉を発してはいけません。言葉を発したら、その段階でその人はゲームから外されます。無言で、手の感覚と、相手のことだけを思ってパートナーを探し求めます。

 手を探しあて、パートナーだと確信が持てたら、その相手の手を握ったまま、一人で、スーッと静かに座ります。もし、その相手側も、考えてパートナーだと確信して、一緒に座れば二人で座れます。もう一人のパートナーが違うと思った場合は、目の前の座った人の手を、そっと離して、自分の感覚を信じてパートナーを探し続けます。ですから座った人が、一人であっても、二人であっても、集団から(世界の縮図)からスタッフによって外に出されます。

 


 相手に引っ張られて、確信が持てないまま座ってしまう人もいます。目隠しを取った瞬間に正解か、不正解かがわかります。座った瞬時に誰もがワークは終了です。自分一人で座っても、誰かと座ってもゲームは終了です。一緒に座った相手が、自分のパートナーでなければ、自分の真のパートナーは、200人の中で居ない自分自身である「わたし」を、永遠に探し続けることになります。

 


 相手に合わせて座ってしまう人。ゲームだからと、さっさと適当に座る人もいます。ここに日々の行動パターンが反映されます。座ってゲームが終わった人は、集団(世界の縮図)から外されて、外の世界から、静かにワークを見る側になります。

 安易に座った人は、パートナーが自分を信じて、自分を探している姿を、外から見続けることになります。時間が経てば経つほど、自分の安易な決断に、罪悪感と後悔から、涙を流す参加者もいます。人生の縮図のような世界観が、そのワークには隠されています。

 


 相手が探していることを信じ、集団の中でパートナーを探している人にも、いろんな思いが込み上げてきます。

 「相手はもういないのかもしれない。それとも、探してくれているの?相手がもう集団(世界)の中に、すでに居ないなら、今の自分の探している『行動の意味』は、何?相手のためなのか?自分のためなのか?」

 さらには、何かを探し続けている自分自身の人生と、ワークが重なり合ってゆく。

 探しているものは、人によって違う。自分の使命とか、やりたい仕事とか、心から愛する人や、失って戻らない過去の大切な何か?何かを探し求めている日々の自分自身の日常とリンクする。

 色んな思いを感じられて、探しているうちに、目隠しの中で、自然に涙が流れてゆく。

 「いつものように、あきらめるのか、今までの人生で、あきらめて生きてきたから、ゲームと言えども、今回は、自分の人生を変えるために、あきらめたくはない!」と自分に言いきかせてパートナーを探す人もいます。孤独と不安の中で…

 そして、パートナー同士見つかって、お互いが喜びあって過ごしている人にも「自分達は良かったからと、いまだにパートナーを探している人や、パートナーじゃない人と座ってしまって後悔しながら『私はその世界に居ないからお願い、もう座って!私をもう探さないでいいから…』と悲しい面持ちで、パートナーを見続けている、隣人に(仲間たち)に、『自分達は見つかったから』と、あなたは無関心になっていませんか?自分はパートナーが見つかったからOKですか?いつも、あなたは自分がOKなら、他人はどうでもいいのですか?」とナレーションが流れる。

 「集団の中でパートナーを探している誰かは、あなた自身かもしれませんよ。あなたも何かを、いつも探してるんじゃないんですか?真の愛とか、人生の意味とか、そんなあなたは、中で探している、もう一人のあなたに対して、無関心で良いのですか?」とさらにマイクで語りかけられる。

 


 すると参加者の中に連帯感が生まれ、多くの参加者たちが、パートナーを探すメンバーを、心から応援する集団に変わってゆきます。静かなワークの中で、多くのメンバーが、パートナーを探す人達に声にはならない眼差しを向けてエールを送る。心の底から「ガンバレ!」と。それは他人に対してのエールなのか、もしくは自分へのエールなのかもしれません。

 「自分」と「他人」の垣根が、ワークをとおしてはずれてゆく。

 


 不思議と、そうなるとパートナーと出会えるメンバーが増えはじめる。心のパワーのスゴさを感じるワークです。さらに人数が少なくなり、パートナーと、もっと会いやすくなる。会えた二人に対して、周囲の仲間から祝福と感動の拍手が、自然にわき起こるようになります。

 


 数年前のワークでは、ルール違反を覚悟で、自分から目隠しをして、無言で集団(世界)の中に、仲間を探してゲームに舞い戻って行く、つわ者まで登場しました。

 人を信じる心と、優しさ、自分のクセが見えて来るワークの一つです。

 どれくらいのパートナーが200人以上の中から大切な相手と出逢えると思いますか。参加していない人には、自分にはムリだと思えるでしょう。それが、毎回7割以上が出逢えるのです。200人越えの人数の中から見つけ出した感動は最高です。

 そして、夜のインディアン・ワークは、自分で自分を癒し、応援するワーク。

 


 それぞれ参加者が、即席で作った子宮の中で生まれ変わるワーク(参加した人しかわからない)プライベートの子宮の中で、号泣する人たちが続出しました。男性で「初めて心から泣けた」と言った参加者も沢山いました。

 幼い時に、親に抱きしめられた思い出が心の成長には大切です。でも、すべての人が抱きしめられた思い出に満たされているわけでありません。だから、幼い自分を大人の今の自分自身が抱きしめるのです。

 幼い頃の淋しかった自分を、今の自分が「プロテクションするのだ」という強い決意で…

 親に叱られて、家に帰りたくない思いでトボトボ歩いている自分でもいい。友だちとケンカして、部屋の窓から空を見て淋しさにくれている自分でもいい。それを大人の自分自身が幼い過去の自分に声をかけて「大丈夫だよ」「ここにずーっと居るからね」「心ゆくまで抱きしめてあげるからね」幼い自分自身が、大人の自分に笑顔をみせるまで。

 


 ワークはここでは終わりません…

 今度は人生経験をかさね、優しさと包容力を身につけた、年老いた自分が、今度は背中から、今の自分(大人の自分)を優しく抱きしめてくれるというサプライズな登場がある。特殊なインディアンの秘密のミュージックを使って行われる。即席の子宮の中で…

 


 「会社でツライかい」「恋人と別れて淋しいかい」「夫婦でケンカばかりが続いているね」「でも、それらの出来事は決してムダではないよ。今の私になるためにはすべてが必要だったんだよ」「だから、しっかり味わって経験しておくれ。すべては今の私になるために必要だったのだから…」優しい優しい手で、微笑んだ年老いた自分が、今の自分に語りかけてくる。すべての経験を優しさに変えた、未来の自分が自分自身を癒してくれる。

 今の自分を「過去の自分」と、「未来の自分」がサポートして、新たな誕生へと向かわせる。

 メンタル、オリジナルのインディアン・ワーク!

 自分自身を変身させるために、日々の仮面(ペルソナ)をはずせるように仮装して、非日常の自分になる。間違っても、ハロウィンではない。

 

 やがてマイセルフで自分自身を癒し、一人一人が、子宮から飛び出して、再誕生した瞬間の開放感!心が夜空にとけてゆく、そして心も身体も本当に軽くなる体験。

 


 今度は解放的なインディアンミュージックにあわせてインディアンダンスの中で、たくさんの仲間から「再び生まれて、おめでとう!」新たな誕生日。200人の仲間から声をかけてもらえる感動は経験した者でないとわからない。多くのRe-birth(再誕生)した仲間同士が祝福して、幸せな気持ちがアイランド広場全体を包みこんでゆく。

 


 生きるのが辛い人も、苦しい人も「生きているのも、捨てたものじゃない」と感じ、たくさんの仲間の優しさに包まれて、アイランドの夜はふけていく。そう、大人は自分で自分をRe-design(デザインのし直し)できるのです。

 広場の周囲からは、アイランドの仲間たちである、虫のささやき、海の優しい音、満点の夜空、優しく笑ってくれる星たちが、僕の大切な仲間を包み込んでくれました。


 また、会おうね仲間たち!

 


 母なる大地、父なる大空が願っている、すべての人々がつながった世界を、僕たちは、少しは感じられたような気がしました。

 

 

 

 

 

 

 

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