情報の「深さ」を味わってみよう

      2023/08/21

 ありとあらゆる情報があふれています。
 カウンセリングをしていると相談者の中には、情報に溺れている人が多く見られます。

 大昔、ある漁村に兄弟がいました。兄は裕福で身勝手でした。弟は貧乏でも親切でした。弟は不漁続きだったので兄の家に行き「食べ物を少し分けてくれませんか」と頼みました。でも裕福な兄は少しも食べ物を分けませんでした。弟は肩を落として帰路につきます。その途中に困っている白髭のお爺さんを助けます。

 弟は助けたお礼にお爺さんから「魔法の石臼」をプレゼントされます。この石臼は右に回せば欲しいものが出て、左に回せば欲しい物が止まります。石臼を持ち帰った弟は半信半疑で、石臼を右に回しながら「食べ物よ出てこい」と言ってみました。すると食べ物が出てくる出てくる。弟は「自分だけが幸せになってはいけない」と思い、村の人やら親戚の人を呼んで感謝の宴を催しました。

 優しい弟は意地悪な兄も招待しました。

 弟の家が新しくなり、船も大きくなったことに不思議に思った兄は、そっと弟の様子をうかがっていました。すると弟が石臼を右に回し、宴に来た村人に、甘いお菓子のお土産をたくさん出しているのを見たのです。
 理由を知った兄は、弟の家から石臼を盗んで自分の船に乗りこみ逃げました。自分だけ違う島に行って、石臼を使ってお金持ちになろうと考えたからです。

 陸から離れ、海のど真ん中に来た兄は、弟の家から盗んだ甘いお菓子も食べました。でも甘いお菓子を食べ過ぎた兄は、塩っ気が欲しくなったのです。

 そこで石臼を右に回して「塩よ出よ」と叫んだのです。すると塩がどんどん出てきました。でも、兄は石臼の止め方を知らなかったのです。やがて塩は船の上で、いっぱいになり、やがて船は石臼と共に沈んでゆきました。意地悪な兄も溺れて死んでしまいました。だから、海の中では、石臼が今でも止まらずに塩を出しています。だから、海の水はいまだに塩っぱいのです。

 この物語の教訓は、私たちは新しい情報を求め広げますが、ひとつの情報を止めて実践することがいかに難しいかを教えてくれています。生きるために、そんなにたくさんの情報がなくても僕たちは幸せになれるような気がします。

 日本の懐かしい歌謡曲や昔のCMが、日本の若い人や韓国の若者にも人気を集めています。それは過去の情報を反芻することの楽しさを彼らが教えてくれています。
 あいみょんの歌に「君はロックなんか聞かないと思いながら 少しでも僕に近づいて欲しくて ロックなんか聞かないと思うけれども 僕はこんな歌で あんな歌で 恋を乗り越えたきた…」という歌詞があります。過去の歌謡やドラマ、CMに感動を味わい、情報のスピードを止めることも大切ですね。

 情報に溺れるよりも、情報の深さを味わってみたいものですね。学びも同じで、知識を増やすことではなく、少しでも実行に移すことが大切な時代です。


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心理カウンセラー衛藤信之
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