カウンセラーほど、ステキな役割を僕は知らない。

      2019/04/21

 悩んでいる人の気持ちを聴いていて疲れませんか?
 カウンセラーが、よくたずねられる質問です。答えはノーです。
 
 アメリカでは刑務所を出所して、再び犯罪に手を染める再犯率が恐ろしく高いと言われています。
 
 ある刑務所で受刑者を二つに分けて実験をしました。
 「犯罪は決して良くない。自分の人生を台無しにしてしまうし、愛する大切な人を悲しませ、沢山の人の人生を壊してしまうから」と、犯罪がいかに破壊的で、バカらしいかを「説得する側」と、その人達に「説得される側」のグループに分け、どちらの再犯率が低くなるかの実験を行いました。

 さて、結果はどうなったでしょうか。

 それは、「説得される側」ではなく、なんと「説得した側」の再犯率が劇的に低くなったのです。なぜならば、犯罪が無意味で恐ろしく破壊的であるかを一生懸命語っているうちに、自分の中で犯罪に否定的な信念が生まれたからです。

 同じことがカウンセリングの現場でも起きます。

 前を向いて人生を歩んでほしい、悲しみから元気になってほしいと願って、相談者に関わっているうちに、カウンセラーのほうに、人生を前向きに笑って歩んでいくエネルギーが気づかないうちにわき上がってくるので、悩んでいる人の話を聴いていても、疲れを感じないのです。


 先日、大阪校で基礎心理カウンセラーの修了式がありました。

 


 いつも、夫や子どもの足らないところ、欠けたところに心を向け、イライラしていた自分が、講座を受けたことで、たとえ家族であっても自分とは違う。夫には夫の、子どもには子どもの考えがあること、その考えが自分とは違っても最後までしっかりと聴く。その時に大切なことは、心を白紙にして批判せず、夫や子どもが「今この瞬間」はそう思っているし、そう感じているんだと思いながら、自分の常識や正しさでジャッジしないで、最後までアクティブ・リスニングで話しやすいように促すやり方を実践するようになりました。

 

 怖いお母さんだった私が、今では大1、高1、中1の子ども達が家に帰ってくるなり、「ただいま」より先に「ちょっと聴いてヤァ〜」と話し始めるようになり、キッチンは家族のカウンセリング・ルームになりましたと語る、笑顔の花が開いたお母さん。

 


 ある女性は、厳しく育てられ、この家に居てはいけないとの不安から「良い子」を一生懸命に演じて我慢して生きてきました。だから、親が年老いて弱ってきて、自分を頼ってきても「今さら何よ!」と長年抑え込んでいた怒りと悲しさがわいてきて、ささいな事でも年老いたお母さんとケンカをしてしまい、後悔と罪悪感で落ち込んでいました。
 でも、音楽療法の講座の中で、「あなたが幼い時のお母さんの年齢は?」「お母さんはどんな立場でした?」「ご主人との関係は?」「お母さんと姑、嫁いだ家族との関係は?」と、講師のナレーションと音楽の中で、ずっと昔の若かった頃の母を感じることができました。

 

 
 母は親せきの家で養女として厳しく育てられ、幸せにしてくれると思った結婚は、夫が仕事中心だったため、嫁いだ先で誰にも相談が出来ず、歯をくいしばりながら悲しみに耐えて、子ども達の手を握って生きていた若い幼い母…
 「淋しかったね。孤独だったね。」と音楽の中で、私は幼い子ども時代の母を抱きしめていました。  強い母と弱い娘が逆転した瞬間。
 「私が、いまだに強い母と思って戦っていたんですね。今は、娘のように感じます」とその人はしめくくった。

 いつも娘さんとメンタルに来ていた男性は、後で知ったのですが、その娘さんは奥様と前のご主人との間の子どもだったそうです。その後、妹や弟ができても、4歳の時から一緒だったので完全に自分の娘と思って育てて来たそうです。だから、その娘さんと一緒にメンタルに通うことが密かな楽しみだったそうです。

 I(アイ)メッセージ(自己開示)の講座の帰りに、二人で歩いている時に娘さんが「パパにメッセージ伝えるわ」「ん??」
 「実の娘じゃないのに、色々してくれて、ここまで育ててくれて、ありがとう」

 彼は結婚式の時のセリフだろうと思ったけど、セレモニーでも、皆の前でもない準備されないメッセージに、心が射抜かれたそうです。

 彼は、家庭の事情もあり、奥様と籍を入れないでここまで来ましたが、その娘さんの誕生日に、晴れて籍を入れることに決めたそうです。

 


 このようなエピソードを聴いて幸せを感じずにはいられないでしょう!

 


 衛藤先生、カウンセラーは疲れませんか?

 いいえ、疲れません!!

 

 

 

 

 

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