人はグラデーションの存在

      2023/10/03

 自分が許せない人が増えています。

 自分の「愚かな何か」が許せないのです。僕は思ってしまいます。完璧な清廉潔白な人はいないのではないかと…

 人間はグラデーションの存在であり、マダラな存在なのです。だから、完璧な聖人君子も、完全な極悪非道も存在しない気がします。「罪を憎んで人を憎まず」という言葉はありますが、それは他人にだけ向ける言葉ではなく、自分に対しても向けるべき言葉です。

 あなたの中に完璧な純白の心を目指すと、未だに自分の中にある黒の斑点があなた自身を苦しめます。それはやがて外の人の黒にも敏感になり他人を攻撃してしまうのです。

 現代は白黒をハッキリさせる時代です。それは不寛容な社会でもあるのです。

 正義は大切です。悪いことは正さなければ世の中の秩序は保たれません。しかし、それはいつでも優先すべきことなのだろうか。僕は思わず黙ってしまいます。

 この世界には「白い嘘」があります。英語で ”white lie(白い嘘)”という言葉があり、相手を傷つけないための小さな嘘です。

 ごく普通の人がたまたまおかしてしまった小さな過ちを、その人の心情を考えてついてやる嘘も「白い嘘」です。でも、それは結局自分にとって都合のいい「黒い嘘」ではないかと読者から反論されるかもしれません。

 そうなのです。世の中は白黒が一筋縄ではいかないのです。簡単に断言できないことがたくさんあるような気がします。そこにいる人たちにとって一番よい方法は何か。そして、それが見知らぬ人を含めて誰かを傷つけることがないかを配慮しながら、対極に立って言葉を使うことが大切だと…

 今話題になっているジャニーズ事務所の問題も黒と白が混ざり合っているから見ていて僕は苦しくなってしまいます。「もう二度とこのような被害(黒い嘘)を食い止めるために」と告白しようとする被害者の勇気と、もうすでに時間が経過していて、子どもや家族を持っていたり、愛してくれたファンの動揺を考えて「沈黙を守ろう」(白い嘘)とする被害者もいるかもしれないと思ってしまうからです。

 戦争もあの国の黒と、我が国の白が対立し合うことで残虐な殺戮が繰り返されます。その時にあちらの国の白と我が国の中にある黒を意識できれば、僕たちは平静を保てます。

 僕はどうしても自分の中に拭いきれない黒があることを知っています。だから、誰かの黒に対して正義の権化になりきれなくて…

 今、ジャニーズのタレントの出演拒否が業界に広がっています。今一度、罪(黒)を憎んで、人(白)を憎まず。の意味を考えてみたいと思います。

 もちろん人には完全な白はないのかもしれません。


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心理カウンセラー衛藤信之
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