失っていいものと、失ってはいけないもの…
2019/04/21
東日本では地震が、不気味に続いていますね。不安な地域にお住まいの人々には、お見舞いを申し上げます。
でも、春はもうすぐ、そこに来ていますから!
今日は、お昼に大阪中央公会堂で大阪府の経営者に向けた、基調講演に呼ばれました。
僕はここの大阪市中央公会堂が大好きなのです。
今日をいれて4回ほど、過去に中央公会堂で講演会をしましたが、何とも言えないレトロな雰囲気がこの公会堂の魅力です。
そして歴史があり、やはり夜の高速道路から見下ろす、ライトアップされた大阪市中央公会堂は大阪のシンボルですね。
そして、公会堂の中も独特なステキな雰囲気があり、最新の設備があるホールも悪くはないのですが、僕はたくさんの人が講演をされてきたであろう、この公会堂には、毎回逆にエネルギーをもらえます。
昔、故 草柳大蔵さんと話していた時に「衛藤さん、昔の講演会はヨカッたよ。冷房設備などが講演会場には無かったからね。暑い中で講演を聴衆が聞いている。でもね聴衆が、あおいでいたセンスやウチワが、ピタッと止まる時があるんだな。それが、一番聴衆が『なるほど…』と思った時の話なんだ。それで、話をする僕たちは、どんな話が、聴衆に興味があるのかがスグに判った…」
今でも、草柳先生の言われた、お話が記憶に残っています。
この会話は、僕が講演会に呼ばれるようになった頃に聞いた話です。
この中央公会堂で話すと、なんとなくその頃の時代が偲ばれて…
ステキな時代ですね。テレビやネットで安易に情報が入らないから、直接肉声のライブの声を聴きにゆく…それは、不特定多数に、まき散らされる情報ではなく、思いを伝える側と聴衆とのアイコンタクトがあり、一緒にこの瞬間に生きている人々との連帯感がある。
だから、スロー講座が好きです。
YouTubeなどで僕の講演などが流れたりすることがあります。
でも、ファーストフード講座のように、いつでも何処でも、同じ内容ではなく、いつもその時の臨場感と、感動が会場に広がる一体感が、僕にはたまらない。
だから、本よりもCDよりも、ライブが最高です。
話は変わりますが、今日久しぶりに早く家に帰って家族とテレビを見ていました。
するとアメリカの番組で、恋人や配偶者の浮気の現場を調査して、その浮気現場に直接、裏切られた人と突撃するというスゴい番組をやっていました。
それは二股をかけていた男性が、別の女性と結婚式をする当日であったり、夫が浮気している事実を妊娠している奥さんに、それを時期も考えないで直接に告げるという、胎児へのストレスや母体のストレスのことなど、まったく考えない非人道的な企画でした。
この番組には心理的にトリックがあります。
突然信じていた相手に裏切られたら、誰もが興奮状態になります。その瞬間に「その浮気現場に行きますか?」とたずねられる。当然真実を知りたいと思った人は「行きます!」となる。
そして、親族がいる結婚式や相手と楽しく食事している現場に、テレビのクルーと、怒り心頭の恋人が突然に入って来るのです。
予測不可能な状態になれば、人は誰もが気持ちが動転して、冷静に落ち着いて考えれば言わないような言動をとる。それは当然、冷静な状態でテレビを見ている人から見ると、とてもこっけいなのです。
もちろん、浮気された方も、興奮状態です。感情を落ち着けて、相手への愛情などを冷静に考えれば、言わないような言葉で相手を罵倒する。
人には、言ってはいけない言葉がある。
でも、それを興奮状態が冷めない状態を維持させ、その状況を演出して言わせる。
人のパニックになった愚かさを、より最高に演出してテレビでたれ流す。
「人の愛は、何なのだろう」と思えるほど、悲しくなる番組でした。
一番悲しかったのは、そのVTRの後に、スタジオに画面が切り替わった時に、ゲスト達が笑いながら、拍手していた瞬間でした…
人は愚かで、悲しい存在なのは、僕も知っています。でも、それをショー化して、皆で笑い飛ばすのは、何故だか悲しく思えた…。
昔、巨大な帝政ローマが滅びる頃は、身体の不自由な人や老人、またはコロシアムで人を戦わせてパニックになった状態の人を見て、大衆は大いに笑い転げたという。すでにローマは、ゲルマン人の侵入を待つ前に、内部が崩壊していたことになる。そう文明は外から壊れるのではないのです。内部から崩壊するのです。
一番の問題は、文明が滅びかけるている時には、その異常さに誰もが気づかなくなる。
自分たちがおかしくなっていることに、誰もが気づかないで、大衆は異常な社会の日常にマヒをしてゆくのです。政治の混乱、マスメディアの異常、そして、人間関係の荒廃…
それこそが、その時代が、狂気に導かれれている真っ只中にある証拠なのかもしれません。
失っていいものと、失ってはいけないものを考える一日でした。
すいません、脈絡がなくて…