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ありのままの私とあなたで~ゆっくりと~

大阪校  佐藤 陽子さん(34歳 女性)

 

私が娘を産んだのは二十歳でした。周りの友達の中でも一番早くに結婚し子供を生んだ私は、子育ての悩みがあっても、誰にも相談できる人はいませんでした。でも自分の父親のように力で押し付ける育て方だけはどうしても嫌で自分流に育ててみようと思いました。自分がされてこなかった事「いっぱい褒めてもらう」私はこれだと思い、とにかく沢山娘を褒めました。
 少し出来た事にでもたくさん褒め、してほしくないことはゆっくり何度も何度も言い聞かせ娘に接していきました。
 その頃は毎日がとても自分の思う様に出来ていたのですが、娘がお話しを出来るようになった頃から、元主人がその時の気分によって娘をきつく叱るようになってきました。時には娘の顔が腫れる事もありました。

 私は娘が叱られ叩かれたりするのを見るのが辛くなり、なるべく娘が元主人に叱られなくても済むように私が先回りして元主人をイライラさせない様にしていました。今までのように娘にゆっくり接する事、言い聞かせる事がだんだんと出来なくなってきました。それはまるで自分が子供だった頃、自分の母が父や私に接しているときの様な生活でした。

 そんな生活が、その後も続き、私はノイローゼになっていました。

 元主人の娘に対する暴力はいっそうひどくなり、もうこれ以上一緒に生活することは出来ないと思い、私は約10年の結婚生活にピリオドをうちました。

 この頃の私はとにかく必死でした。

娘と二人で生活していくだけの生活費を稼ぐ為に朝仕事に行き、夕方帰ってきて夕食を作り、またすぐ仕事に戻るの繰り返し。夜中に帰ってからやり残した家事をする。
 身体が悲鳴をあげるのを無視して、とにかく働かないと!という気持ちでいっぱいでした。

 「若くして子供を産んで、バツイチで、子育てもろくに出来ない」そんな風に人から言われたり思われたりするのが絶対に嫌で、何でも完璧にしようとしていました。
 どんなに忙しくても娘の学校の行事には出席する。娘に対しても手を抜く事が出来なくなり、小さな事にも娘に注意をして「どこに出しても恥ずかしくない」そんな娘を作っていこうと必死でした。

 でもそれは長続きしませんでした。必死に頑張った結果、私は体をこわして今までの様に働くことが出来なくなっていました。

 それを助けてくれたのが今の主人です。
 娘と私と主人の3人の生活がスタートしました。当時小学校5年生の娘にはきっと複雑だったと思います。今まで私と2人の生活から急に私をとられたように思っていたのかもしれません。だけどそれほど心配もなく、問題もなく、ゆっくりゆっくりと3人の生活が過ぎていきました。

 娘が中学受験をして、入学を機に私は主人と再婚をしました。
 中学2年生の時、娘が学校に行くのを渋るようになりました。始めは怠けているのかな?と思って無理に登校させる日もありました。しかし娘の変化に気付きしばらく休ませることにしました。「人が怖い」「外に出れない」「眠れない」昼夜逆転の日々が続き、日に日に変わっていく娘・・・・

 無理やり病院にも連れて行きましたが、ますますひどくなる一方。夜になると頭を抱え込んで、うずくまる娘。目はうつろ、外にも一歩も出ない。そんな毎日に私はただ「何とかして変えささないと!このままでは娘は一生このままだ。」と思いました。そんな時、主人が会社で娘のことを話したのがきっかけで、主人の会社の社長様より日本メンタルヘルス協会の紹介を受けました。私はわらにもすがる思いでここに来ました。

 講座を受けるにつれ、今までの自分の考えや「こうでなければならない」「失敗してはいけない」そんな考えが少しづつ洗い流されるかのように楽になっていきました。

 「I love you because you are you!」あなたはあなたのままでいい。私はあなたを愛しています。それはあなたがあなただから。この言葉に私はどれだけ救われたでしょう。学校に行けない娘も、色々な事で日々悩んでる娘も、どんな娘でも今はそれが受け入れられるようになりました。

 そしてそんな娘のことが今大好きです。

 この春、中3になった娘。まだ不登校のままの娘。しかし娘が今この時を悩みながらも一生懸命生きている。それだけで良い。そんな立ち止まる時間も娘にとっては必要なんだと思います。「人と同じスピードで歩かなくてもいいんじゃないかな。あなたはあなたのままそれだけでもすばらしい!」 私たち家族はこれからです。急がなくて良い。ゆっくりゆっくりとこれからを歩いていきたいと思います。



 ◆お嬢さんのレポート (大阪校 佐藤美樹さん 14歳 中学生)◆

 学校に通えない。幼稚園の頃から習い続けたピアノは小学校5年生から中学1年生までコンクールに出た。毎年賞をもらい最後に出場したときは近畿地区で準優勝するほど頑張ったピアノに行けない。外へ出れない。今まで普通にやってきた事がほとんど出来なくなってしまった。私はいつも泣いて一日をすごしていました。

 毎日苦しくて悲しい思いばかりしているだけだと思っていた私は間違っていたみたいです。
 このことに気付いたのはメンタルに通い始めてからです。外に出られなくて、何より人が怖かった私。電車が大嫌いになっていました。でもメンタルの教室に行くには電車で行かなくちゃいけない。 体験講座の当日になってもやっぱりドキドキしてなかなか外に出られずにいました。その後なんとか電車に乗り込んだものの、久しぶりに乗った電車は人がたくさん乗っていてすごく怖かったです。 その時必死で音楽プレイヤーを耳につけて気をまぎらわしていたのを覚えています。

 でも教室でお話を聞いた後の私は、今まで家にいた私とは何か違う感じがしました。その時「あぁ楽しかった」と学校に行けなくて外にも出られなくてしんどかった思いをしていた私がそう思えた瞬間でした。電車はまだなかなか楽しく乗れるものではないけど、メンタルに行く為なら乗れる様になっていました。そんな風に週に1回メンタルに通うごとにちょっとずつ何かが変化してきました。

 今までは学校に行けない自分が嫌でした。

 以前まで私なりに頑張っていたけど、まだ決まっていないこれからのことをどんどん悪く想像していました。もしかしたら自分の言葉や想いが私自身を苦しめていたのかもしれない。でも今は教室で様々な人達と出会ってお話しすることや、メンタルで沢山のことを教えてもらって充実した生活を送っています。

 学校に行ったほうが良いのだとは思う。でも他にたくさんの方法はあるし、焦らなくても大丈夫だと思っています。私は夢を少しずつ叶えていけば良い。一度に色々なことをすると疲れてしまうから休憩も必要だということを学びました。まだまだ覚えていきたいことはたくさんあるけど、ゆっくり自分のものにしていこうと思います。あとは自分らしくいれたらいいなと思っています。なるべく自然に楽しく生きていきたいです。

 

~受講生のレポートより抜粋~
  紹介スタッフ:森山

《受付からの光景-森山》

 美樹ちゃんが初めて教室に来られた時の事、私は今でも鮮明に覚えています。とても緊張していたようで、それがこちらにも伝わり、私もつられて緊張してしまう程でした。

 最初は恥ずかしそうに下を向いて受付までゆっくりと歩いて来られていたのが、受講の回数を重ねるごとに、どんどんとまっすぐに背筋が伸びて、笑顔が益々きらきらと眩しい位に輝いてく。

 「人はこんなにも大きく変わることが出来る。」美樹ちゃんと出会い、あらためて感じました。

 お二人が基礎コースを修了してから1ヶ月後、お母様の陽子さんより以下のような報告を頂きました。

 美樹ちゃんは今の自分の気持ちを、クラスメイトへ是非伝えたいと思い手紙を書き、それを届ける為に1年ぶりに学校に行った。電車は、やはり辛くて何度か降りて休憩しながら到着。美樹ちゃんの中学校はクラス替えがない為、3年間一緒にすごすクラスの仲間へ宛てた、その大切な手紙を担任の先生が代読。

 美樹ちゃんの手紙の内容は、
 「ずっと学校に行っていない私をクラスの一員として認めてくれている事ありがとう。みんな本当に沢山たくさんありがとう。まだいつ行けるかわからないけれど、私は今頑張っているから、どうか待っていてください。」
 感動して泣いてしまった子もいたそうです。

 クラスメイトの間では「たとえ同じ学校で同じクラスだとでも、一人ひとりは様々な個性や良さがあって、みんなそれぞれのペースがあるんだ。」という事を、美樹ちゃんから教えてもらったねと話をしていたそうです。

 人は変わることが出来る。でもそれは簡単なことではない。美樹ちゃんがメンタルで学んだ事を生活の中に取り入れようと、家に帰ってからメンタルのテキストに線を引いて懸命頑張っている事、教室で伺っていました。並大抵の努力ではなかったと思います。





 人は誰でも順調な時ばかりではない。悩むときもある。でもそんな時、
“I love you because you are you . ”このあたたかい言葉は勇気をくれると私は思います。
 この言葉で救われたと書かれたお二人のレポートに共感し、
また真っ直ぐで一生懸命な姿に感動しました。

 私自身、講座で初めてこの言葉を聴いた時、両親の事が真っ先に思い浮かびました。
 私に「あなたは怖がりだから、泣き虫だから~だったね。」とその時のエピソードを懐かしそうに
両親が微笑みながら話してくれる。
 妹には妹が苦手だった事を話してくれる。

 決して私と妹を比較して「お姉ちゃんなのに、こんなことも出来ないの!」とか、
妹に対して「お姉ちゃんに比べて妹のあなたは・・・」というような言い方は、一度もされませんでした。

 両親が昔のエピソードを話してくれるのを聞いている時の安心感が何なのか、
メンタルの講座を受けるまで考えたこともなかったのですが、あの話はまさに私達にとっての
“I love you because you are you . "。私と妹それぞれのあるがままを愛してくれている・・・
 私は感謝の気持ちでいっぱいになり、講座中、涙が止まりませんでした。

 日常の生活の中で、私が今まで両親から沢山受け取った優しい気持ちになるこの言葉を、
これからは私の身近で大切な人達へ発信する側になりたいと改めて思いました。