Home 受講生の感想レポート 気持ちの変化を見ようとするのが心理学なんだ
気持ちの変化を見ようとするのが心理学なんだ

東京校  佐々木 雅明さん(37歳 男性)


このセミナーを初めて受講したのは5年前です。
基礎コースに進む事に決めた理由は体験ゼミの中で衛藤先生が、
「相手の為相手の為と言っている人は自分の為自分の為と言っているようにしか聴こえない」と言う言葉が頭から離れなかったのです。
「あなたの為にやってあげる」「あなたの為を想って・・・」
自分もよく使う言葉でした。
衛藤先生の言葉の真意が知りたいと思い、基礎コースの前編に進もうと思いました。

セミナーの内容はとても楽しく4回のセミナーはすぐに終わってしまいました。その中でも印象に残ったのは前編4回目の講座で行ったライフライン(自分の人生を1本の線であらわすワーク)でした。過去にいろんな辛い事や悩みがあったけど今こうして生きているし、この場所にいるし、これから辛い事や悩みがあってもきっと乗り越えて行けるって思う事ができました。
ただ、衛藤先生の言葉の真意はわからないままでした。

それから、しばらく経って今の奥さんと出会い、メンタルヘルスで得た自分の出来る限りの知識を駆使して、見事結婚する事ができました。(笑)

いつからか自分達の目標は家を買うことというのが出来ていて、奥さんも働くのが当たり前の状態が続いていました。私は出張でほぼ家にいることはなく、一緒にいるのは日曜日だけで、休みの日は家でゆっくりしていたいし、家に帰っても奥さんの話はテレビを見ながら、インターネットをしながらなど、奥さんの顔を見て話す事がその時はなかったかもしれません。

いつからか覚えていませんが、妻の行動がおかしくなってきました。

洗濯物は畳まないで床に積み重ねたままだったり、茶碗が何日間も洗われていない状態だったり、掃除機を使ってないので綿ほこりやごみが床に落ちていたり、他の部屋ではタンスにしまわれていない洋服が散乱している日が続きました。
週末私が家に帰るといつもこんな状態でした。
「食器は、その日のうちに洗ったら」「洗濯物は畳んで仕舞うのが当たり前だろ」「部屋は綺麗にしておくべきだろ」「昔はきちんとやっていたじゃないか」と、今思えばYOUメッセージ(自分の気持ちを伝えず、相手の行動のみを指摘するメッセージ)のオンパレードでした。


あまりにも状況が変わらないので私は自分で茶碗を洗ったり、洗濯物を畳んだり、掃除機をかけたりして、いつか彼女が変わってくれるだろうと思いやっていました。
でも、逆効果でした。

ある日私は現状が変わらない事に苛立ち妻と喧嘩になりました。
「なんできちんとできないんだ!家に帰って来てもこんな汚い部屋じゃ落ち着けねーよ」と妻に自分の感情をぶつけてしまいました。
すると妻は「私の事何も知らないくせに」と言ってきたのです。
話を聴くと妻は、仕事をしてからすぐお客さんの前で手が震える症状が出たそうです。仕事中に急に倒れたり、円形脱毛症にもなり、片頭痛もずっとしていたというのです。もう1年前から心療内科に通院していると。
他にも産婦人科、内科、外科等いろいろな病院に通院していると。

「でもあなたには相談できなかった。あなたといると疲れるの。別れてくれないかな」と。

なぜ別れてって言うのかわかりませんでした。
そんな簡単に別れてなんて、なんで言えるのだろうって思いました。
でも、彼女は簡単に言ってなかったのですね。今だからわかる事ですが・・・。

それでも、何とか彼女を助けたくて、何かの力になりたくて、もう一度心理学を最初から学ぼうと思いました。
5年ぶりのセミナーはとても新鮮で、内容が今の彼女の状態に当てはまることが多かったんです。
なぜストレスがかかるのか、病気になるのか。なぜ怒りが起こるのか。なぜ病弱になっていくのか・・・。
体験セミナーで疑問に思った衛藤先生の言葉も少しずつわかってきたような気がします。
「君の為に言ってるんだよ。なぜなら、そうしてくれないと僕が苛立ってしまうから。」
「君の為を想って言ってるんだよ。なぜなら君が僕の思うように動いてくれないと僕が怒られてしまうから。」
って事だったのかなと思います。

妻は仕事を辞めましたが、通院は続きました。

しばらくして、私は次の出張先が決まりました。私はこの出張では病気の事もあったので、妻を連れて行くことに決めていました。
当然一緒に来てくれると思っていました。

ある日の車の中の会話で
俺:「今度の出張先ではどこに遊びに行こうか」
妻:「私行かないで仕事するわ」
俺:「はぁ~?」
妻:「お金貯めなきゃいけないし」
俺:「・・・・」
私は無言になってしまい、険悪なムードになりました。
妻:「やっぱり言わなきゃ良かった・・・」
その後お互い無言のまま家に到着しました。

このままでは今までと同じ、子供みたいな態度で終わってしまうと思い、こんなメッセージを送りました。

「俺は勝手に一緒に行くと思い込んでいたから、〇〇(妻の名前)の言葉を聴いてショックを受けて黙ってしまったんだ。ごめん。
〇〇には〇〇の考えがあると思う。だからどっちを選んでも俺は構わないよ。
ただ、一緒に来てくれたら俺はとても嬉しく思うよ。」って伝えてみました。

私のメッセージが伝わったのか、泣きながら「一緒に行く!」って言ってくれました。
妻は、父親から「夫がいない間は妻が家を守るべき」という意見と、母親から「一緒に行くのが当たり前」という意見に悩んでいたそうです。

妻の涙と自分が「Iメッセージ(自分の気持ちを素直に伝えるメッセージ)が伝わった」っていう嬉しさとで涙が出てきました。

このIメッセージが正しい文章かわかりませんが、相手に気持ちは伝わったのかなぁと思います。今までの自分なら無言のままの所で終わっていたでしょうから。

林先生が、「心理学はテクニックを使おうとするのではなく相手の変化、気持ちの変化を見ようとすることで良い」と教えてくれました。
今思うのは、相手の変化、気持ちの変化を見ようとすれば、知らず知らずのうちに心理学を使えている事もあるのかなぁと思います。
今の妻は、食器はその日のうちに洗い、洗濯物は畳みます。でもタンスには入れません。(笑)
でも、少しずつ変化はしています。自分も気にしなくなりました。足りている所、良い所を見られるように少しずつなってきたかなと感じています。
病院は一つも通っていません。その代わり、フィットネスクラブに朝から夕方まで通っています。
でもそれでも良いです。元気だし、表情明るいし。毎日次の日のスタジオスケジュールを見ている表情がいいです。

他にも自分の中で小さい事ですが様々な変化がありました。


私には兄がいて、将来は親の跡継ぎとして暮らして、親の面倒を見るのが当然だと思っていました。
しかし、7年前に滋賀県まで引っ越してしまいました。理由は、実家の借金は引き継げないと奥さんに言われたからだそうです。
そのときは、「長男なのだから跡継ぎになるのは当然だろ。借金も引継ぐのもしょうがない。どこの牧場も一緒だ」と思っていました。それから、兄夫婦を恨むようになりました。
今考えると自分自身が親の面倒見ることになったらどうしようと思っていたのかも知れません。
メンタルのホームページの<えとうのひとりごと>の中に「君の生きたいように」という文章があります。
その中で
≪あなたは笑うのですか?怒るのですか?≫
≪傷つけられた人間を、憎むのですか?受け入れるのですか?≫
という文章を読みました。その中に「憎む事よりも許す事の方が難しい」というフレーズがありました。それを読んだ時「自分の行動でどっちか選べるなら難しい方を選んで実行した方がかっこいいじゃないか」って思いました。

その次の年、年賀状を出しました。この年賀状には「今大阪に出張に来ている。時間が合ったら会おう」と書いて出しました。でも兄からの年賀状は来ませんでした。
3月に入った頃、兄から電話があり今度大阪に行くから会おうと言ってくれました。夫婦で来てくれました。
話しているうちに、自分が思っていた事と兄夫婦の考え方の違いに愕然としました。
時期を見て実家に帰ることは考えていること。
その為に少しでもいい条件で帰るためにいろんな所に頭を下げていること。
両親の事を大事に思っていること・・・
兄に対してマイナスの固定観念しかなかった自分に気付いたし、憎む事とか許すとかそんな事は自分が勝手に作ったストーリーの中で7年間も間違ったまま過ごして来てしまったのだと気付かされました。


両親に毎月わずかですが仕送りをしています。
その度に母は「あなた達の暮らしがあるのだから仕送りなんていらないよ。わたしらは何とか暮らしていけるから心配しなくていいよ」と言います。
年金しか収入がなくて苦しいだろうに・・・。
うちの親父も電話で「元気か」って聞くと「何とか元気だ」って必ず言います。
体を壊して病院に通っている事を姉から聞いています。
このセミナーで学ばなかったら、この環境がどれほど幸せな事か、自立した大人がどの様な人なのかも理解できなかったと思います。
この両親の元に生まれて育てられた自分はきっと、自立した大人になれるに違いないと自分に期待しています。

電車の中で年配の方に席を譲った時にもらう幸せを感じられるようになりました。
ある日、席を譲ってからずーっと寝ていたお婆さんが、私が降りる時に起きて「ありがとうございました」と言ってくれました。こちらこそありがとう、という気持ちです。そんな事言われたら嬉しいですね。
毎回感謝される訳じゃないですけど、それでもいいと思っています。
天に宝を蓄えていますから。

本当にいろいろなことを気付かせてくれました。ありがとうございます。
5年前に受講した時は自分がこんなにも変われるなんて思ってなかった。
小さくても少しずつ変化している自分に気付くこと。それに喜びを感じること。
きっとこのセミナーで学べなかったらわからなかった。
いきなり高い目標は持たず出来ることから実践して、まずは自分が幸せになって、それから周りも幸せになれるように、援助できるようになれたらいいなと思います。

 

~受講生のレポートより抜粋~
  紹介スタッフ:野本

佐々木さんは名古屋・東京・福岡と出張先、出張先で忙しい合間をぬって受講されました。

体験講座のときから頭から離れないと言っていた、
「相手の為、相手の為と言っている人は、自分の為、自分の為と言っているようにしか聴こえない」
この言葉の意味は僕自身もとてもハッとさせられました。

<人の為と書いて偽りと読む> 相手のことを想い、よかれと思ってやっている事は、
「好きでやっている!」「どうしてもほっとけなかったから世話を焼きたかった自分が居るのだ!」
と講座を通して気付かされました。

そして当たり前だと思っていた日常を過ごす中、気がついた時には奥様が心療内科をはじめ、
様々な病院に通う日々を知り、別れまでも宣告された佐々木さん。
そのなかでも何とか彼女を助けたい、何かの力になりたいと思い、
もう一度心理学を最初から学ぼうと受講を始めたのは5年のブランクがあるなかでした。


先日、東京校の会場で佐々木さんとお話した際、
「彼女を救いたいと思って再スタートをしたと書きましたが、

今思うと本当は自分が救われたかったのだと思います。
そして当時の自分は固定観念が強く、本当に凝り固まっていたんだなと気づきました。」
とおっしゃっていました。

当時は奥様から愚痴すらも聞けなかったそうです。
「きっと自分自身が聞く耳をもっておらず、話しても仕方がないと思われていたのかも知れません。」と。
たとえ自分にとって聞き苦しい話でも、相手が思っていることを話してくれるということは、
お互いの関係に信頼感があるからなんですよね。
<弱さを出しても怖くない人間関係>奥様との関係が今、少しずつそうなってこれたのかな、
と思えるそうです。

そしてお兄さんへの思いに対しても、講座の中でも何度も教わりました。
≪人生を問うなかれ!!人生があなたに問いかけている!≫
≪あなたは笑うのですか?怒るのですか?≫
≪自分を傷つけた人間を、憎むのですか?受け入れるのですか?≫

佐々木さんは、許すことの難しさを知っているからこそ「許そう!」と思い行動したことで、
自分の思っていた事とお兄さんの考えの違いに気付けたのだと思います。
自分自身の思い込みや、知らず知らずのうちに固めている物の見方をどうやって変えていくかを、
講座で学んだ事を本当に活かして実践されていることに感動しました。

佐々木さんは現在研究コースに通われています。
身近な人にそっと寄り添える、笑顔を大切にする佐々木さんをいつも応援しています。
本当に素敵なレポートありがとうございました。