Home 受講生の感想レポート 突然やってきた心の病から、乗り越えるまでの道のり
突然やってきた心の病から、乗り越えるまでの道のり

大阪校  厚 真紀さん(39歳 女性)


私はまず、日本メンタルヘルス協会で学べる機会を与えてくれた友人や家族に感謝致します。今の私があるのも、支えてくれたたくさんの人達がいると分かったからです。

 私は、心理学とは無縁の生活をしていました。心理学関係の本も全く読んだことがなく、鬱や心身症になる人が多い事が信じられませんでした。

 「なぜ、鬱になるの?」
 「眠れないの?」
 「食べられないの?」

 と不思議に思っていました。私には関係の無い病だと、他人事のような気持ちでいました。

 しかしそれは、突然私にやってきました。

両親の仕事を手伝い、子供の習い事の送迎、週3回のバレーボール、大家族の食事の用意etc・・・充実感はありましたが、座る間もないほど多忙な日々を送っていました。

 そういう生活を5年ほど続けたある日、私の身体が悲鳴をあげました。動悸、耳鳴り、めまいから始まり、あっという間に不眠、食欲不振、頭のしびれ、不安、心配と、気付いた時には生きる気力さえも失っていたのです。

 外出ができない、家事もできない、声を出す事さえしんどくてベッドに横になっていても息をするのも辛くなり、これから生きていけるのかずっと考えていました。

 「なぜ、私がこんな目にあうの?」
 「何か悪いことしたかな?」
 「私は忠実に親の仕事を手伝い、子供にも真っ直ぐ向き合ってきちんと主婦をしていたじゃない。なぜ?」

 という気持ちがわいてくると同時に、両親や家族が敵のように思えました。私がこうなったのは誰かのせいだと思いたかったのです。思い込みとは怖いものです。私は学生時代から頑固で、人の言う事はきかない、自分が一番正しいと自信を持って生きていました。その思い込みがますます私の身体を悪くしていきました。

 「もうどうなってもいい。」
 「もう疲れたな・・・。」
 「真面目に生きてきたのに、神も仏もいない。」

 と半ば諦めの気持ちでいましたが、二人の娘の存在でやっとそこから脱出できました。
 「この娘たちの母親は私しかいない。私はこの娘たちの為に生きていよう!」という強い思いが私の命をまたよみがえらせました。

 以前は自分だけの時間が欲しくてたまらなかったのに、この時は娘たちとの時間が愛おしくてたまりませんでした。そして、私が娘たちを支えられていたのだと気づいたのです。
 「ごめんね。ママはいつもこんな側にいながら、こんな大切なことに今頃気づいて・・・」と、声を出して泣きました。

 それから、少しずつ「生きる」という事を意識して外へ出ることにしました。そして、毎朝、下の娘の登校時に愛犬と一緒に歩くことにしたのです。それからは気づきの連続でした。自分の子供以外には関心がなかった私でしたが、「おはよう!」「おはよう!」と挨拶してくれる子供達と一緒に歩くようになり、子供達の瞳の輝きに感動しました。いつの間にか自分の子供のように愛おしく思えました。そして、私は彼らからも生きる輝きをもらったのです。

 身体の調子が悪くなってからはバレーボールにも行かなくなっていました。でも、子供の学校で仲間とすれ違った時、「最近どう?大丈夫?また一緒にしようよ!いつでも待ってるからね。」と笑顔で声をかけられたのです。

 私は当時、3つのチームに所属していましたが、その中でもレベルの高いチームにウエイトを置いていました。ラリーの続かないチームの人とはプレーはしないとうぬぼれていたのです。しかし、声をかけてくれたのは、私がもうプレーはしないと思っていたチームの人でした。私はなんてばかなことをしてたんだろう・・・。

 人をふるいにかけて、判断していた自分が本当に情けなく思いました。
 人の笑顔や挨拶が、こんなにも私の心にまっすぐに届いたことは、今まで生きてきて初めてでした。人のあたたかさ、やさしさ、笑顔にこんなにも支えられていたと改めて気付きました。

 そして、散歩に行くきっかけとなった愛犬にも感謝でいっぱいです。
 私が体調を崩し、家から出られない時にずっとそばにいてくれた愛犬の目は今も忘れません。今までも見ていた草木の緑も、太陽がこんなにも全ての生命にエネルギーを与えていたことも気付いていませんでした。

 風に香りがあるのも、鳥や虫たちがこんなにも一所懸命生きているなんて一度も考えたことなかったです。
 庭の赤い花、黄色い花がこんなにも新鮮で生き生きしていたことも・・・。

 私はそれから全てに感謝することを学びました。特別な人や特別な物によって人は幸せを感じるのではなく、日常の当たり前だと思っている事が幸せなのだと気付いたのです。
 そして、今、私は毎日幸せを感じることに感謝をして生きています。

 日本メンタルヘルス協会の講座を受講するようになり、講師やスタッフの方々の笑顔の素敵さに感動しました。そして、いかに笑顔のない人が多いのかということに気づき、私は笑顔を心がけるようにしました。

 最近、下の娘が「ママ、あまり怒らなくなったね。」と言ったことがありました。
 「そうかな?ママ、変わったのかな?」と言うと、にっこりして「うん、変わったよ。」と言ってくれました。
 自分では気づいていませんが、子供はちゃんと見ているんですね。

 また、これだけのたくさんの人が、生きるという事や自分の人生について真剣に考えているという事にも驚き感動しました。講座で先生方のいろいろなお話を聞いていると、心に深くまっすぐ届くものがあります。帰宅してからも、家事をしながら涙が溢れてしかたない事もありました。人はそれぞれに生きる意味があるのだと思いました。

 過去の出来事、経験があり、今の私がいます。私は講座を通して今の自分が一番好きだと思えるようになりました。そして、人との出会いや繋がりに心から感謝いたします。
 こう思えるようになってから、私は一人でも多くの人に自分の経験を伝えていきたいと思うようになりました。生きる力を失い、笑顔も無くし、息をすることさえも辛かった私が、今は笑顔と心と生きる力を取り戻せたのだから・・・。

 私のこのタイミングで心理学を学ぶ事ができて、本当に良かったと思います。以前の私のままだったら、頭では理解していても心が反応しなかったと思います。本当に人の心理とは不思議です。自分の心が閉じている時は何もかも悪く考えてしまい、自然や動物にでさえ愛情を注げません。最初はささいなきっかけだったとしても、その時の思いは自分で自分の身体に悪影響を与え、気づいた時になかなか元に戻らなくなってしまっています。

 でも、その中で人は「生きる」ということの大切さ、自分の存在、命、周りの人達への感謝を学ぶのかもしれません。

 私を生んでくれた両親に感謝し、私の主人に感謝し、私の子供として生まれてきてくれた二人の娘に「ありがとう」と伝えていきたいと思います。

 命をおもいっきり輝かせ、今を楽しんで生きていきたいと思います。

 最近、「人」が愛おしく思えてきました。家族以外の人、他人をわが身のように思えているのはなぜでしょう?
 こんな風に感じたことは無かったのに・・・。
 たくさんのことに気づかせてくださる日本メンタルヘルス協会に感謝いたします。

 

~受講生のレポートより抜粋~
  紹介スタッフ:吉原

私は厚さんのパァーッと明るい笑顔が大好きです。
 受講にお越しになる時に、エントランスで見る厚さんの笑顔は太陽のようです。

 今回厚さんのレポートを拝見して、いつも厚さんが笑顔でいるのは、厚さん自身が笑顔に助けられたからなんだなぁと思いました。
 レポートを拝見していなかったら、厚さんの笑顔に背景があるとは全く気付かない程、厚さんの笑顔はパァーッと明るいのです。
 そして、周りの人を元気にするんです!

 基礎コースを修了し、今は研究コースで学びを深めている厚さん。
 「私は180度考え方が変わりました。人ってこんなにも変われるんですね。私がこんなに変われたのだから、きっと今は暗闇の中にいる方たちも変われると思うんです!自分の経験が少しでもその方たちのお役に立てればと思っています。」
とおっしゃっていました。

 以前は全て自分が正しいと思い、人の言う事は全く聴こうともしなかったそうです。
 身近なご家族にも感謝することもなく、足りないところだけを見ていたかもしれないと・・・。
 そんな時に厚さんの心と身体が悲鳴をあげたのです。

 でも、私に大切な事を気付かせる為に起きたことだと今は理解できると話される厚さんを見て、ちゃんと辛かった過去を乗り越えられたんだなぁと感じました。

 暗闇の時間があったから、人のやさしさ、あたたかさ、笑顔のチカラの大きさを感じ、自然に感謝し、今まで当たり前だと思っていた事が幸せだと気付いてからは、すごく周りの人の話を聴くようになり、人の縁をとても大切だと思うようになったそうです。

 自分の想いに素直に生きる事も、自分の決めた道をまっすぐ歩く事も確かに素晴らしい事だと思います。
 ただ、それで誰かが辛い想いをしたり、苦しむのであれば、そこで何かのバランスが壊れてしまうのかもしれませんね。
 どんな時でも人に寄り添う心を持ち続けたいと思いました。

 変わる事の素晴らしさを改めて感じるレポート、ありがとうございました。
 また、太陽のような笑顔の厚さんにお会いできるのを楽しみにしております!