集団ヒステリーに陥らないために…

   

 2013年、東京オリンピックの開催が決まった時に、日本では56年ぶり、アジアでは同じ国で2回目の開催だ!と日本は沸きました。

 スペイン(マドリード)トルコ(イスタンブール)を退けて日本での開催決定でした。

 「東日本大震災からの復興を後押しするための応援を含んだIOCの計らいか?!」とマスコミの見出しは躍った。あの当時は、日本のマスコミは感謝の思いさえIOCにありました。当時、会長ではなかったにしろ最有力候補であったバッハ現会長も、こんなに日本でバッシングを受けるとは、当時は夢にも思わなかったはず。もちろんコロナウイルス感染が広まる日本の現状の勉強不足だという声もあるが、日本人ですら情報不足に右往左往しているのが現状です。

 オリンピックが決まった時と、今では人の心がこんなにも変わってしまう…

 このように僕たちの状況で「感動」から「怒り」にすぐに変わってしまう。この自分たちの変化には無関心でも、過去にイジメた誰かの反省の言葉は認めてはもらえない。過去に一度でも過ちを犯した者は、永遠に変われないとでも言わんばかりに… 

 ノーベル平和賞を受賞したシュバイツアー博士は、子どもの時に黒人の子どもと取っ組み合いのケンカになり、その頃は裕福だったシュバイツアーが、その黒人をねじ伏せた時「俺もお前みたいに、いつも肉の入ったスープを飲んでいたら、お前なんかには負けないのに〜」と泣かれたことがショックだったと語っています。その出来事が起因して、シュバイツアーは大人になり医者としてアフリカの当時辺境の地で、弱い人を救う人に生まれ変わり、多くの人々から「密林の聖者」と慕われました。

 オリンピックにならんで戦後の日本経済復興のキッカケになった、日本万国博覧会の大阪万博記念公園に残された《太陽の塔》の作者の岡本太郎氏も、幼い時は自由奔放過ぎて周りは手を焼いたと言われています。

 今の時代なら「芸術は爆発だ!」と叫んだ岡本太郎氏も万博を降ろされていたかもしれません。

 現代は多くの人びとの無意識に得体のしれない怒りと不満が蓄積され、そのエネルギーが集団ヒステリーとなり、どこかに噴火する場所を求めているようで…マスコミも大衆も…

 ただ、僕の願うことは、

 これから海外のアスリートや関係者がたくさん選手村や、

メディア関係者が東京ビックサイトに集まります。

 日本の怒りや不満の矛先が、彼らの一挙一動に向けられて、重箱の隅をつつくように「コンビニで買い物していた」「マスクをしていない!」と批判の目を向けられないことを願っています。

 オリンピックで来日している関係者には、かなりの行動制約がかけられています。

 その彼らが日本にどんな印象を持って自分の国に帰国するのかが気にかかるのは僕だけでしょうか?「おもてなし」が「うらみ返し」で幕を閉じたくはないものです。

 オリンピック中止のシュプレヒコールをあげるなら、もっと早くにあげる必要があったのです。でもスタートしてしまったからには日本の“潔さ“が世界から見られます。

 今回、僕はハタと気づいたことがありました。SNSの掲示板で「オヤジたちが楽しみで始めたオリンピックで、なんで僕たち若者が我慢させられるの!」という意見を見つけました。僕が思うにオリンピックの開催は、最初から日本の各階層の人々に大きな認識のズレが起こっていたのです!

 敗戦後の高度経済成長の日本にとって「オリンピック」と「万博」は、多くの日本人にとって経済成長の象徴として、誇らしくもあり、感動的な出来事でもあったことでしょう。その当時の日本には間違いなく「感動の共有化」がありました。その時代に感動を味わった世代が「青春をふたたび!」とのノスタルジックからオリンピックという船の建造を進めました。それに経済効果を求める人々が便乗し「面白そうならいいね!」と若者たちも、それなりの楽しみではあったのでしょう。

 この各世代間の意識のズレが潜在的にあって、コロナウイルスの蔓延したことが引き金となりオリンピック船は座礁の危機にあるのです。だから誰も責められないし、誰かを責めるべきでもないと考えます。怒りの矛先はコロナであって、人であってはならないのです。

 どんどん生活が厳しくなっている若者に対して、過去の日本の感動を味合わせてやるのにとオヤジ世代が「なぜに君たちは協力しないのだ?」という思いが一方通行の感情の押し付けになり、新たな不満を各世代に生んでいます。

 ですから次に控えた大阪万博もノスタルジーを追うだけではなく、過去の感動にしがみつかない第三の道を探さないと同じ過ちを続けてしまいます。

 さて皆さん、オリンピックが始まったからには、安全な室内で、自国も他国も関係なくアスリートに、心からの声援を送りたいと思っています!

 

 

<<よければYouTubeも見て下さい。>>

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