過緊張の人への処方箋

   

 帰宅しても、休暇を過ごしていても、仕事のことばかり考えてしまい、心が休まりません。もっとオンとオフを区切ってリラックスをしたいのですが…という悩みが多いです。これらの人々を過緊張と呼びます。

 以前のブログでもお話をしましたが、ヒトは科学テクノロジーという道具がなければ、動物界では最弱な存在です。爪も牙も皮膚ですら他の動物と比べて貧弱です。

 それは、太古の昔から何一つ変わっていません。太古の昔からヒトは森の中の樹々がかすかに摩擦する音にも敏感に反応しないと獣に襲われて生き残ってはいけなかったのです。

 この緊張状態がずーっと続いてしまうのが過緊張のタイプです。これは人間の太古の昔に発達した脳が反応してしまうからです。普段なら緊急の時や目の前にやるべきことがあると警戒レベルの緊張の神経(交感神経)が反応し、森の中の安全な場所では、リラックスの神経(副交感神経)が反応します。
 過緊張の人は、つねに緊張の神経(交感神経)が優位になっているのです。

 今の流行としてマインドフルネスなどが話題にのぼります。これは一言で言えば呼吸法を使った瞑想です。そして、リラックスしている自分をイメージさせてリラックスの神経(副交感神経)を優位にさせる試みです。

 ただ、瞑想する時間を取り、メディテーションの場所であっても過緊張のタイプはリラックスできないことが悩みです。

 過緊張の人は休めと言われて休んでも、仕事をしていたほうが効率があがったのではと考えはじめます。だからといって仕事をしていると身体のためリラックスする休みをとらねばと悩みはじめます。目的地へ最短で行くためには走ることを考え、走りながら景色を見なくてはと悩んでしまうのです。焚き火で暖をとろうと思えば煙に当たる、煙に当たりたくなければ暖は取れないという現実よりも、理想の状態を求めてしまいます。そう最速で走りながら、景色をゆっくり眺めようと悩むのです。いうなれば身体が同時に二つも、三つも存在しなければ獲得できないことを一つの身体で味わおうとする。「最高の状態でないと!」「コンデションを最高に保てないと!」と考えるのです。
 どちらにしても思考優位の人です。だから、リラックスしていても思考で緊張してしまうので緊張の神経(交感神経)が優位になるのです。

 このように、リラックスを試みたとしても、頭であれこれ考えて努力しようとする。それがすでに交感神経優位になって緊張してしまいます。

 大切なことは、クールダウンしたければ身体を動かして有酸素運動することです。フイットネスした後にジムでも瞑想をします。マインドフルネスのような瞑想も、運動をして交感神経を優位にした後のほうが、リラックスしやすくなるのです。

 ですから生活を思考パターンから、肉体パターンにシフトして身体を動かすことです。とはいえ「会社で身体を動かしています」と思われている人は、その活動や行動は仕事の活動や行動でしかないのです。

 仕事とは関係のない分野で、身体を疲れさせる運動をすると交感神経が活性化します。すると交感神経の波形が波の高いピークに到達するほどに、次にその波形が副交感神経の谷へと勢いよく向かってくれるのです。これがリラックスです。マインドフルネスを成功させる方法です。

 過緊張のタイプは、すべて思考中心タイプです。思考活動ではなく身体を動かす活動に変えて下さい。ほら、そこのあなたはまた思考で考えていますね。フィトネスのウエアーを買って、ジムに申し込んでと…いつもの思考パターンに入っていませんか?

 今からすぐに、その場で膝を屈伸して背伸びから始めましょう。それが活動パターンの第一歩ですから…

   


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