自然に抱かれよう!

   

今は何をしていても携帯の通知音が心の静寂を妨げる時代です。
連休にゆっくりしていても、いつも頭の中ではあれこれと考えてしまいます。

 休むことに集中できないと訴える人が多いように思います。

 パソコンで言えば今開いている画面の裏では、複数の画面が開いているマルチタスク状態です。休んでいるようでも裏側では、アイドリング状態で脳は働き続けているのです。
これをDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)と呼ばれます。この状態では脳は60%〜80%もエネルギーを使っています。
だから休んでいないのです。

 僕の好きな禅の話に…

 百丈懐海(ひゃくじょう えかい)という中国、唐の時代の禅僧です。いつも山の頂きで坐禅をしていました。

 ある時に弟子が「いったい何が幸せですか?」と訊ねました。すると瞑想していた百丈懐海は「山の上で独り座ることだ(独座大峰山)」と答えました。
 これが山頂で師が語った弟子への答えです。

 この意味がわかりますか?

 弟子の知りたかったのは「幸せ」とは何かです。

 でも幸せとは立場によって違います。お金に恵まれていても愛に飢えている人は幸せを「愛」だと答え、愛に疲れた人は幸せは「自由」で一人の時間だと答えるでしょう。さらに自由で退屈なり過ぎると、幸せは「胸を焦がす恋」だと思うようになります。幸せは立場や状況によって相対的に変わります。

 例えば、ロシアはウクライナを自分の属国にならないと不安だと感じ、ウクライナはロシアから離れ、NATOに入り独立国にならないと不安だと感じています。ですから、それぞれの「幸せを求める心」が戦争になるのです。

「どっかりと山頂に座る」とは「今、ここ。今、この瞬間」懐海禅師の前では、世界の雑音はすべて消え去ります。「皆がこう言っている」「ニュースでこう言っていた!」から離れて、思考の中では百丈懐海だけが山頂に座っているのです。その瞬間に懐海禅師の存在だけが真実で「雑念」も「常識」も「国の価値観」からも禅師は自由になっています。坐禅している懐海禅師の頭には現実は「空」の中に消え去るのです。そこに相対性から主体性が生まれます。

現代ではこの状態をマインドフルネスと呼んでいます。

そこで師に教えを乞うた若い弟子はこの答えに感動します。
「さすが師匠だ!懐海禅師は煩悩から離れて悟りの世界に入っておられる」と…それを師に伝えるために、弟子は手を合わせてお辞儀をして礼拝しました。

すると懐海は、礼拝する弟子の頭を竹箆(竹のヘラ)で叩きました。
 ※ 竹箆(しっぺい)は、しっぺを打つ、しっぺ返しの元になっています。

なぜ弟子は叩かれたかわかりますか?

今、懐海禅師は自由な幸せを語っているのに、弟子は「師は正しい!」「間違いない!」「師匠、最高!」と常識の枠を持ち込んだのです。

山の上の頂で坐禅する禅師からすると「お前が一番邪魔じゃ!」となるのです。

ちょっといい話でしょ!

 カナダのトロント大学のステラー博士は、広大な自然の中に身を置くと、大らかな気持ちになり、自分の抱えている悩みが小さく思え感謝の気持ちが芽生えてくると977人の被験者による研究でも確認しています。この心の状態を「Awe体験」と呼びます。

 また「Awe体験」はジョン・テンプルトン財団(米)の研究でも、脳が通常の何十倍、ときには何百倍も活性化することがわかってきています。

 多くの瞑想者が感じる「心の平安」は、心の中に「Awe体験」を作っているからです。大らかに生きましょう!




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心理カウンセラー衛藤信之
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