やりがいを探しに...

   

 転職サイトに「楽でやりがいのある仕事」とキャッチコピーが書いてありました。「なるほど、そんな仕事を今は求めているのかぁ」と思って「でもちょっと待てよ?」と僕は思い返した。
 このキャッチ、もともと「そんな仕事がある?いや、ないない!」と頭の中で一人ツッ込んだ! 

 危うく心理カウンセラーもダマされそうになりました。

 だって鼻歌まじりでできる楽な仕事に、人はやりがいは感じないからです。

 5キロの舗装された道をノンビリ歩く。道の横には花が咲いてベンチがある。その間に無料の自販機がいくつも設置されていて、いつ飲んでもかまわない。

 さらに横で誰かが話しながら並走どころか並歩してくれる。あなたは笑いながらゴールする。楽しい思い出にはなるけれど、このキャッチに書いてある「やりがい」にはならないと思いませんか?

 同じ5キロでも、くねくねの山道で、仲間に必要な物資が入った重いリュックを背負っている。時折、道にはいくつもの水溜まりがあり、狭い道で時折、木も倒れている。道の片側は絶壁で、反対側は峡谷で、フラフラとあなたがよろめくと足を滑らせてしまうかもしれない。だから慎重に足を前にだす。

 天に向かって「なんで私だけが、こんなことを…」と思っても誰も背負ってはくれない。

 でも「誰かがこの荷物を待っているのかもしれない」と思うと一歩一歩踏み出すしかない。
時には道の脇の小さな花にホッとしたり、ふとため息が出たとしても、自分の足に感謝し「ありがとう」と伝え、もちろん、背中や腕にも…また前を向いて歩きだす。

 「ああ、もう限界だ!」とリュックを投げ出したくなる瞬間が訪れても、でも「このリュックを降ろすわけにはいかない」と深く呼吸すると、今まで気づかなかった小鳥のさえずりに少し笑顔がこぼれる。

 やがて目的地が見えてきて「もうゴールするしかない!」と腹をくくる。「やったー!よくやった私」やがて仲間にリュックを渡す。かといって誰かが狂喜乱舞で感謝してくれるわけでもなく、でも自分だけが知っている。
 「やりきった。あきらめなかったよ」そして、背負い持って来た飲み物を、誰かが飲むのを眺めながら頑張った自分を誇らしく思う。

 この道のゴールにこそ、キャッチコピーにあった「やりがい」という感動が置いてある。

 僕は、そんな疲労感がすこぶる好きで、少しの自分への賞賛と達成感が「生きがい」だと思ってる人間です。

 だから「楽してやりがいのある仕事へ!」のコピーに魅せられて転職のマインドコントロールされている人たちは、やがて逆に「生きがい!」そのものを見失ってしまうのではないかと僕は思う。

 さぁ、コロナ明けたら山にでも登ってみるか!


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心理カウンセラー衛藤信之
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