日本メンタルヘルス協会


 さっそくですが、衛藤先生のカウンセリングでは、OLさんの悩みとしてどういったカウンセリングが多いですか?
 そうですね恋愛とか仕事でしょうか。自分の恋愛や仕事にたいして「これでいいのかなぁ」「自分は何のために存在しているのか判らない」 「幸せってなに」という自分の存在価値(アイデンティティ)の問題が多いです。「じゃ、あなたはどうしたいんだろう」と尋ねても何も明確な回答がない。 これも一番多い反応です。
 そこで結婚してみる。職場を変えてみる。恋人を替えてみる。一人暮らししてみる。といろいろなことをやるわけですけど何か満足できない。 なぜなら、そのような行動は違う環境への逃避なのです。まわりが悪いのだと考えて、外の環境を変えているだけで自分自身の心の問題はノーチェックなのです。 内面が変わらないと、どんな出会いも、どこに行っても心の安定は得られないのです。僕は物事にはつねに二面性があると考えているんです。
 二重人格のような、よい部分とわるい部分ですか?
 そうですね。それは現実に存在するのではなく、心の双眼鏡がどこを見ているかという、 その人の感じ方なんです。雪が降るという事実も、雪かきをするのが大変だと受け取る人と、スキーに行くにはちょうどいいと受け取る人には、 雪という現象は不幸にも幸せにもなる。人生でずーっと不幸が続くということはないんです。人間で最低という人もいないんです。 人にはそれぞれ素晴らしいところがある。それなのに自分や他人を嫌う人は心のレンズのピントがあっていない。コップに半分も水がまだあるのに、 「半分しか無いじゃない」と不幸にピントが合ってしまう。
 そういった人への処方箋として言えることは?
 まず、自分の嫌いな人は、自分がやれることをカン違いしていることが多いのです。 自分に自信が無い人は、人によく思われたくて、夢のように高いハードルを自分の前にかかげます。もちろん高い分だけ挫折する。 そうすると高いハードルが原因だとは思わず、できない自分がダメ人間に思えてくるのです。そこでよけいに自信を無くすので、 そこでさらに人の注目を集めるような高い目標をかかげてしまう。当然、挫折します。そして自分は更に最低に思えてくるという悪循環に入り込むのです。 この点はギャンブルに失敗する人に似ている。失敗を埋めるために起死回生、さらにつぎ込む。
 神様は自分にヤケになっている人には振り向かないと思うのです。神様からも人からも、愛される人は自分の人生を肯定して生きている人です。 ♪♭もしもしカメよ。カメさんよ。世界のうちでお前ほど歩みのノロいものはない、どうしてそんなにノロいのか♪♭この歌ヘンですよね。
 よく子供のとき歌わされましたけど。ヘンですか。
 だってカメはゆっくり歩くから新陳代謝もゆっくりで長寿だし、 もしかして、ゆっくりだから見える世界もあるんじゃないかなぁ。ウサギさんには見えない世界があるからおもしろい。そう思いません。 (なるほど)だけど、あのカメは♪♭なにをおっしゃるウサギさん♪♭と相手のペースにふりまわされるわけです。今のOLさんも親の常識、 マスコミのブーム、女性雑誌の恋愛のパターン、他人の幸せに影響されている人が多いんです。
 これから、いや21世紀の正しい生き方は「自分らしさの発見」だと思います。もっと幸せ、もっと進歩、もっと開発。この欲張りな生き方は、 今世紀に競争と戦争と混乱を引き起こしましたよね。そして、この地球の破壊は取り返しのつかないところにさしかかっているでしょう。 これからは、心の開拓が大切な時代ですね。嫉妬や自己否定はやめて、今の生活にある小さな達成感や小さな発見にほほ笑むことが、 自分自身や周囲の他人を”大好きになる方法”だとカウンセラーとして思いますね。
 今日はどうもありがとうございました。このような話は多くの人が聞くべきだと思います。 もっといろいろなことを心理学的に聞きたくなりました。取材ではなく個人的に。ところで先生は自由が丘でカウンセラーの養成講座をしているそうですね。
 しています。でもカウンセラーというと、ノイローゼとかうつ病とか心の病気を治すんだと思われがちですが、 これからは普通の人にこそカウンセリングや心理学が必要だと考えています。なぜなら、心理学には自分や他人を知る技術がたくさんあるからです。 これからは病的な人を治すカウンセラー養成ではなく、一般の人をさらに向上させるカウンセラーの養成講座が大切だと思って一般の人がハッと気づく いろいろな心理学の講座を開催しています。本当は人生を楽しくする方法ですから高校くらいで”楽しい心理学”があればいいのにね。
本当にそう思いました。ありがとうございました。
こちらこそ、どうもありがとう。
(内容:掲載記事抜粋)